ふたりの漂流記
「ナンパしてベッドイン?まっさかぁ!ぼくはそういうタイプの奴じゃありませんよ!」
「でも本当。一緒に寄り添って眠ったんです。わたしのベッドで……絶対に嘘じゃありません」
「人は見かけによらないものですね。さっきは海賊だ、なんて云ったりして、嘘をついてひとを脅かすというのは感心しませんね」
「ごめんなさい。でも、孝之さんは六年三組だったでしょ?」
「えっ!それは……」
「小学校で同級生だったのよ。わたしたち」
「第三小学校?……ああ、それは三年生くらいだった頃のことでしょう」
「そうそう。まだ低学年だった……」
「そのときのことは……そうだったのかぁ、微かに記憶に残ってますよ」
「本当?嬉しい!」
圭は笑顔を輝かせた。白瀬も笑った。