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俺とみこの日常 8話

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視点変更 蒼大→みこ

学校についてからの自由時間。
いつもは特に何もやることがない暇な時間だったりするが、今日は違う。
あたしの左斜め前の席の女の子…まりちゃんに事情説明しておかないと。
「まりちゃん」
「どうしたの?優美」
「あのね〜、実はあたし優美ちゃんじゃないんだっ!」
「何寝ぼけた事言ってるの。顔でも洗ってきたら?」
「寝ぼけてないって」
「じゃ、誰だって言うのよ?」
「天野みこ!!」
「………」
「驚いた?」
「…まさかみこの事を好きすぎるあまりそんな妄想を見てしまうとは…」
「違うよー!」
説明しても分かってくれない。
というか、わかれ、と言う方が難しいか。
「みこちゃーん!」
お、ちょうどいいとこに。
後ろの方から優美ちゃんがこっちに走ってきている。
…登校中、あたしが置いていったせいだが。
「えーい!!」
「きゃっ!」
優美ちゃんが背中にいきなり抱きついてきた。
いつもの事だが、何か違うような気がしてならなかった。
「………!!」
まりちゃんは目を見開いてその光景を見ている。
…普段、優美ちゃんがあたしに抱きつく事はあっても、あたしから優美ちゃんに抱きつく事はないからだ。
「…まさか、本当に…?」
「だからそう言ってるじゃん」
「みこちゃん、何の事?」
「優美ちゃんは気にしなくていいよ。それと、早く離れて?」
優美ちゃんは、分かったー、と言うと、あたしの背中から離れた。
…分かってしまった。いつもなら、背中に何か、”小さいけど弾力がある”のに、今日のは"それ"がなかった。
涙が出てきそうだ。
「みこ?どうかしたの?」
「気にしないで」
「でも、泣き目…」
「…気のせい」
「ならいいけど…」
あたしは朝のHRまでの時間、涙をこらえるのに必死だった。
作品名:俺とみこの日常 8話 作家名:ざぶ