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俺とみこの日常 8話

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「でね、そーくんったらかくがくしかじか」
今は昼休み。
幻聴の事もあって気分が悪い、といった優美ちゃんは、保健室にいる。
今はまりちゃんと二人で図書室にいる。
「で?優美とキス、したの?」
「もちろんしてないよ」
「でも優美は簡単にはあきらめないでしょ?」
「うん。…代わりに、これから毎日一緒にお風呂に入ることになっちゃった」
「……優美のセクハラには気をつけてね」
「うん。でもね、今は優美ちゃんがあたしの身体使ってるから、変なことしてないか、って見張りが出来るの。それとさすがに……」
自分の身体にセクハラはしない。
そう言いかけて、止めた。
そう言えば朝起きた時抱きついてきてたり、学校来た時にも抱きついてきたな…。
「もしかして、誰でもいいんじゃ…?」
「優美?」
うん。と軽くうなずく。
「それはないよ。みこ以外の人には何もしてないでしょ?」
…そう言われてみれば。ずっと一緒にいるまりちゃんも何かされた様子はないように見える。
「まりちゃんは?何もされた事ないの?」
「………」
あれ?聞いちゃいけない事だった…かな?
「言いたくないなら別にいいよ?」
「あれは小学5年生のころ…」
あ、言うんだ。
「あたしは転校してきたばっかりで友達もいなかったの」
へえ、まりちゃんって転校生だったんだ。って、あたしもそうか。
「なかなかクラスに溶け込めなくてね。でも、そんな私に声を掛けてくれたのが優美だったの」
あたしの時もそうだった。ちなみに始めて見た時の印象は、”テンションの高い可愛い女の子”だ。
「いきなりね、”好きです!!”って」
……直球勝負?
「…で?何て答えたの?」
「『え?』って。知らない子からいきなり告白されたらそうなるでしょ?」
「確かに」
しかも女の子から。そりゃ『え?』ってなるわ。
「そこから交流が…?」
「そ。当時はセクハラが少なかったからよかったけど、中学にあがってから悪化してね〜」
苦々しい顔で話す、まりちゃん。
多分、あたしが来るまで長い間されてたんだ…。
可哀そうに……。
そう、可哀そうな目を向けていたのが気付かれてしまったみたいだ。
「……可哀そうな子に可哀そうな目で見られた…」
……可哀そうな子って言われた…。
「何そんな悲しそうな顔し……ごめん」
「…気付いてくれたらいいよ……」
まりちゃんは優しい。
「あれ?」
「ん?どうしたの、みこ」
「一つ気になる事があるんだけど…」
「何?」
「優美ちゃんって、あたしとまりちゃん、どっちが好きなの?」
まりちゃんは少し、考えるような動作をとる。そして、
「…みこは蒼大さん大好きだし…」
話が大幅にそれた。
「!!?ど、どう、どういう、どういう意味?」
「そのまんまの意味」
なんで、なんでまりちゃんが知ってるの!?
「こ、こ、根拠は!!?」
「その動揺。それといっつも蒼大さんの話ばっかり。それに……」
「あーあーあー!!!」
もうそれ以上聞きたくない。恥ずかしい。
「でも、蒼大さんが気付いてくれない」
「…!なんで、その事…?」
「話を聞いてりゃ分かるよ」
「その事…優美ちゃんに…」
「言わないで?」
「違う」
「違うの?」
「言うべきなのか、言わないべきなのか悩んでる」
言った場合、これから会うたび気まずくなるかもしれない。それだけじゃない。他にも色々問題がある。
逆に言わない場合、あたしが悩みに悩むことになる。それに、もしその事を知ったときの優美ちゃんの精神的ダメージが…。
「……相談には乗ってあげる。だから、悩みな?」
「…うん、ありがと。まりちゃん」
悩み事があったら友達に相談してみるもんだな。素直にそう思った。
♪〜♪〜♪
ここで、昼休み終了のチャイムが鳴った。
あたしとまりちゃんは、教室へと帰った。
作品名:俺とみこの日常 8話 作家名:ざぶ