君にこの声がとどくように
* * *
クオンたち三人の聖騎士に救われた少年は、クオンの養子として育てられることになった。
十代前半の少年だった。
あの日以前の記憶を一切失っていて、名前も歳も分からなかった。
戦災孤児は修道院に預けられるのが通例なのだが、その少年はクオン以外には全く懐かず、キースやソロンとはまだいくらか会話をするものの、他の人間とは一切話しもしなかったので、当面はクオンが引き取ることになったのだ。
そうして三年の月日が流れ、少年は十六歳になった。
その少年の名は『ナイン』という。
****************************
― 君にこの声がとどくように ―
****************************
クオンたち三人の聖騎士に救われた少年は、クオンの養子として育てられることになった。
十代前半の少年だった。
あの日以前の記憶を一切失っていて、名前も歳も分からなかった。
戦災孤児は修道院に預けられるのが通例なのだが、その少年はクオン以外には全く懐かず、キースやソロンとはまだいくらか会話をするものの、他の人間とは一切話しもしなかったので、当面はクオンが引き取ることになったのだ。
そうして三年の月日が流れ、少年は十六歳になった。
その少年の名は『ナイン』という。
****************************
― 君にこの声がとどくように ―
****************************
作品名:君にこの声がとどくように 作家名:村崎右近