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CROSS 第17話 『Difference』

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【時間軸】 … それから1時間後ぐらい
【場所】 … 同じ世界
       『港町ポルポタ』 水上レストラン『海の幸』



 ガリアとウィルは、『海の幸』というシーフードレストランにいた。ペンギンの店員が行き来しており、店中に海鮮料理や潮風の匂いがした。冬だが昼どきということもあり、レストランは少し混んでいた。
「パリの生ガキもいいけど、ここのも最高だな!!!」
フランス人であるガリアは、幸せそうに生ガキを食べていた。
「フィッシュアンドチップスだって美味しいぞ」
イギリス人であるウィルはそう言うと、フライドポテトを口にした。
「そんなジャンクフード、アメリカ野郎が食うものじゃないか」
「…………」

「おや? CROSSのガリアさんとウィルさんではありませんか?」

 その声は、すぐ近くを通りかかったビジネスマンの男の者だった。高級そうなビジネススーツを着て、これまた高級そうなビジネスカバンを持っていた。
ガリアとウィルはその男を見たが、誰なのかを思い出せない様子だった。
「私ですよ。『守山貿易』の守山です」
ガリアとウィルはその名前を聞いて、ようやく誰なのかを思い出したようだ。
 このビジネスマンの男は、『守山貿易』の社長だった。彼は、中京都軍の守山笹百合の父親である。彼の名前は、守山進という。活発そうな感じは、笹百合にそっくりだ。
「もしかして、新聞に載っていたケガをした貿易商って、あんたか?」
ガリアが尋ねた。
「……ええ、そうです。もう出ないようですが、幽霊に驚いてしまいましてね」
守山が少し笑いながら答えた。
「ケガは大丈夫なんですか?」
これはウィルだ。
「もう大丈夫です。大事を取って、クリスマスまでには、本界(758号世界)に帰るつもりです」
守山が足を指さしながら言った。
「それでは、失礼します。これから、ロアという町(『月夜の町ロア』)で、珍しいランプの商談がありますので」
彼はそう言うと、出口に向かって歩いていった。
 彼が去った後、ガリアとウィルは食事を再開し、先ほどのグルメ家きどりの会話も再開した……。