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CROSS 第17話 『Difference』

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 山口が端末の画面で見せられたのは、1枚の衛星写真だった。その衛星写真は立体式で、森の中にたたずむ塔と、その塔の屋上に墜落している輸送機が写っていた。
「この『レイリスの塔』という建物の屋上に輸送機が墜落していて、目的の物は輸送機の中にあります」
「おいおい、物が無事だとは限らないじゃないか?」
山口はあきれた顔をしてそう言った。
「機体がバラバラになっているわけではないですし、物は無事なはずです!」
男は確信がある様子でそう言った。そして、一呼吸おき、
「機内にある物を持って帰ってきてください」
男はそう山口に頼んだが、絶対引き受けてくれるだろうという感じだった。
 山口はわざとらしい困った様子になり、
「しかし、オレたちは休暇中だ。それに、おとなしくしていろと言われていて、重要な中立世界であるこの世界で暴れるわけにはいかないんだ」
そう言って、依頼を断った。大事な休暇を潰されたくないからだ。しかし、
「その点はご心配なく、すでに上層部や紅魔館の了解は取ってあります」
男は予想していたという感じでそう答えた……。
「これは極秘作戦なので、そのことをお忘れなく」
もう1人の男が注意する口調でそう言った。
 山口は断るのは無理そうだと確信すると、渋々任務を引き受けてやることにした。
「ああ、よかった。それでは、武器や移動手段などの準備はすでに終わっているので、よろしくお願いします」
男はとても嬉しそうな様子でそう言うと、書類一式を山口に渡した。そして、もう1人の男とともに、ラウンジからそそくさと出ていった……。

 宴はまだ続いており、ガリアとウィルが一気飲みの競争をしていた。宴はまだまだ続きそうだが、もう出発しなければならない。
 山口は、楽しく過ごしている彼らに、尻拭い的な任務が入ったことをどうやって説明するべきかを考えた……。
「ゆっくりできると思ったのに……」
山口はそう呟くと、席から立ち上がった……。