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CROSS 第17話 『Difference』

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「それで話というのは?」
席につくと、すぐに山口が口を開いた。さっさと話を済ませたいという感じだ。
「私たちは情報部の者です。今日は、あなたがたCROSSに頼みたいことがあってきました」
男は先ほどと変わらない真剣な口調でそう言った。
「撃墜された無人偵察機を敵世界から持って帰ってこいとかか?」
山口はちゃかして笑ったが、2人の男は真剣な表情なままだった……。どうやら、山口のつまらない冗談に付き合う余裕もない緊急事態のようだ……。それに気づいた山口はすぐに笑うのをやめ、
「まさか、そういう頼みなのか?」
そう真面目な口調でそう言った。
「……持って帰ってきてもらうこと自体は正しいですが、頼みたい物は、無人偵察機ではなく小包です」
男はそう言った。
「そして、敵世界じゃなくて中立世界ですよ。個人的には、中立世界のほうが仕事をしづらいと思います」
もう1人の男も口を開いてそう言った。
「その中立世界ってこの世界か?」
「ええ、そうです。だから、手近にいたあなたがたに頼みにきたんです。我々だけでは、無理なので」
「……そうかい。それで、その小包ってのは?」
山口がそう言うと、2人の男は念入りに周りを確認した。他の隊員に聞かれてもまずい話らしい。酔っ払っている者がほとんどなのだから、それほど心配することはないだろうが、それほどデリケートな話らしい。
「小包の中身は工芸品です」
男は小声でそう言った。
「ああ、『アーティファクト』か?」
山口が普通の口調でそう言ったので、2人の男は少し慌てた。
「ええ、そうです。アーティファクトには、この世界では戦争で使われたことがあるぐらい、絶大な力がこもっているということがわかっています」
山口はそこまでの説明で、情報部がどういう理由で、アーティファクトを集めているのかが理解できたようだった。
「なるほど、オレたちも戦争でアーティファクトを使おうということか?」
「そうです。主に悪魔連合軍向けの兵器として」
「しかし、オレたちが簡単に使いこなせるような物じゃないぞ」
山口が苦笑いしながらそう言った。
「それは上層部も理解しています。だから、本格的に取り組むのです。墜落した輸送機にあるアーティファクトは、その重要な第一歩になるものなんです」
男は強い自信が感じられる口調でそう言った。
「輸送機って、どこの所属かが書いてない貨物機のことか?」
山口はジオの空港で見た不審な貨物機のことを伝えた。
「あれは『エアジパング』の輸送機です」
男は怪しまれていたということに困った様子だった。
「秘密の航空会社というわけか」
「原因はまだ不明ですが、その輸送機が墜落してしまったんです」
「どこに墜落したのかはわかっています」
もう1人の男はそう言うと、小型コンピューター端末の画面を山口にこっそり見せた。