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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくとフーボの日々

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 学校から帰ったぼくは、毎週楽しみにしているヒーロー番組を見ながら、またケイコちゃんのことを考えた。
「こんなふうに変身して強くなれたらかっこいいのにな」
 なんて、つぶやいたら、フーボが言った。
「わたしも思います。こんなフジツボじゃあ、好きな人一人守ることはできませんから」
 おいおい、ずいぶん切実だな。
「でも、まさとくん」
 今度は強気な声を出した。
「わたしがあなたと合体して、フジツボ人間になったら、おそらく最強ですよ」
 おいおい。フーボ、なにを言ってるんだ。
「フジツボ人間だなんて、おまえぼくの体を乗っ取る気か?」
「いえ、そうではありません。一時的にわたしの体をぞうふくさせて、まさとくんの身体をおおうのです。このかたさなら、ちょっやそっとではこわれません」
「で、でもさ。いったいだれを守るんだよ」
「もちろん、ケイコちゃんをです」
「はあ?」
 まったく、とんでもないことを考えるやつだ。そういえば、フーボもこの番組が大好きだったっけ。思いこんだらその気になっちゃうなんて。
「フーボ。これはテレビでの作り話で……」
「なにをいいますか。こうしてわたしとまさとくんとは共生しているんですよ。これは事実ですし、世のため人のためになることではありませんか」
 もう、ぼくとけんかをしてたことなんて忘れちゃったらしく、フーボはさかんに力説した。
「じゃあ、今度だれかがピンチになったら変身しよう。でもどうやってそれを知るんだ?」
「わたしの能力をお忘れですか? ちょっと先のことでしたら予知することができることを」
 そうだった。サッカーの時、相手の出方をずいぶん先読みしてくれたっけ。