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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくとフーボの日々

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 お姉ちゃんがめずらしく、夜七時前に家に帰ってきた。試験前で部活の時間が短縮されたのだそうだ。帰ってくるなり、フーボを相手におしゃべりを始めた。フーボはぼくと話さない分、楽しそうだ。
「ところで、お姉さまがやっていらっしゃるスポーツとはどんなものですか?」
「レスリングよ」
 レスリングがどういうものか知らなかったフーボは、興味を持ったらしく、お姉ちゃんからいろいろ聞き始めた。
 そのうち、お姉ちゃんは電車の中で女の子に絡んでいた不良をやっつけたとかって話し出した。
「それはすごいです。お姉さまは力持ちですね。わたしもそんなふうに強くなって世のため人のためになりたいものです」
「あはは。わたしは自分の体をきたえるためで、世のためになんかなってないわよ」
(ちぇ、早く部屋でゲームしたいのに)
 ぼくはめいっぱいふゆかいな顔をした。
「あら、まさと。どうしたの?」
「べーつに」
 ぼくはそっぽを向いた。お姉ちゃんとフーボはぼくにかまわず、話を続けた。