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紅いスポーツカー

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 それから二年後の夏の或る日、笹島慎吾は高速道路上を走る車を運転していた。助手席では若い女性が愉しそうに彼の話を聞いている。笹島舞は昨日から彼の妻になった女性である。ふたりは今朝、車での新婚旅行を始めたばかりだった。
「あの日、何気なく自動車保険のパンフレットを舞から受け取ったことが、俺の人生を変えてしまうことになったんだ」
「でも、まさか渡したその日に慎吾が電話して来るなんて、思わなかったな」
「あの日、俺はスポーツカーに追突しそうになったんだよ。対物保険は無制限じゃなかったし、車両保険にも入ってなかったから、急に危機感を覚えたんだ。これはやばい、急いで何とかしようと思ったんだよ」
 舞は急に神妙な顔つきになって云った。
「あの、紅い車に乗ってた子を憶えている?」
 笹島も表情を急変させた。幾分蒼ざめたようでもあった。
「紅い車って、イタリア製のスポーツカーのことか?」
作品名:紅いスポーツカー 作家名:マナーモード