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俺とみこの日常 7話

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そして、説教が終わって部室に戻ってる途中で太郎の事を説明した。
「で、さっき俺の口を塞いだ訳ね」
「はい、ほんとにすいませんでした」
「もういいって」
そう話している間に部室前まで来た。
ガチャ
「お、帰ってきた」
「怪我は…ねーみてーだな」
「当たり前だ。手を出すわけないだろ、だって明日チョ…」
「せんぱぁい!!?」
「おっと、スマンスマン」
この人は俺の話を聞いてくれてたんだろうか。
今の先輩の発言を聞かれていないか、太郎の方に顔を向ける。
「?」
「ふぅ…」
拓哉が太郎の耳を塞いでいた。そして、早めに解放してあげていた。
ふぅ、と安心している俺に、健太が近づいてくる。そして、俺の耳元でそっと呟く。
「拓哉は味方だ」
拓哉は、ということは桜は違うのだろう。
理由は2つ。
1つ目は、桜は『じゃあ明日、チョコあげるね』とか言う子じゃない事。
2つ目は、去年、桜がチョコを渡してないせいで太郎が落ち込んで…とか言える訳がない。
まあ、要するに、敵はいない。これで安心できる。そう思った時。
「…さっきからみんなどうしたの?いつもとちがくない?」
太郎が聞いてきた。ずっと気になっていたらしい。
「ち、ちがくなんか、違うくないよ?」
「やっぱりなんかおかしい」
すると太郎が、あ、分かった。とか言い出した。
「みんな、明日の事で…」
「「「どっせい!!」」」
「え?何?どうしたの!?」
俺、健太、拓哉の3人からタックルをくらった太郎は、とりあえず、驚いている。
というか、俺達も驚いている。
この男は一体何を言い出すんだ?と。
「お、お前大丈夫?」
まず真っ先に健太が聞く。
「え?何が?」
とぼけるので、俺も聞く。
「お前バレンタイン大丈夫?」
「いや、意味分かんないから、それ」
「とりあえずお前こっち来い」
そう言って、太郎を教室の外へ連れていく。
そこで、分かりやすいようにもう一度聞いてみる。
「お前、バレンタインデー嫌いなんじゃ…」
帰ってきたのは、俺達からすると意外な答えだった。
「?さっきから何を言ってるかと思えば。僕がいつバレンタインデーが嫌い、とか言った?」
「だ、だってお前、今朝のメールの内容…」
あのメールは、拓哉のところにも送られていたらしい。
…恐らく健太のとこにも行ってる。そんな気がする。
すると太郎は少し笑いながら、
「ああ、あれ?チェーンメール」
と、説明された。
確認してみると、タイトルのところにRe2:Re…と、半端ない数のReが続いていた。
「「「ま、」」」
「ま?」
「「「紛らわしいわ!!!」」」
なんてめんどくさいチェーンメールを送ってきてくれてんだこの野郎、じゃあお前なんで今日落ち込んでたんだよ、去年は誰からチョコを貰った?と、後に続いた。順に俺、健太、拓哉の順だ。
すると、太郎は律義に答え出した。
太郎の話によると、チェーンメール特有の『このメールを○人に送って〜』の部分は削って俺達のとこに送ったらしい。…なかなかに意味がわからない。
さらに、今日落ち込んでいた理由としては、『朝からずっとおなかが痛かった』からだそうだ。…紛らわしい。
そして最後、去年、『一人からチョコを貰えた』らしい。
…どうやら、本命のチョコらしい。だからか、誰から貰った、というのは言わなかった。
……でも、大体誰かは分かる。他の二人も、太郎が誰から貰ったのか、想像がついたみたいだ。
…はぁ、こんなやつのどこがいいのかねぇ……。
作品名:俺とみこの日常 7話 作家名:ざぶ