アイラブ桐生 9~11
アイラブ・桐生
(10)第三章 輪島から兼六園へ(その2)前半
国道160号線は、能登半島の東海岸線を走る道路です。
きわめて海に寄り添いながら、どこまでも真北へ向かって続く道路です。
それはまるで、河の堤防上を走っているような錯覚をおぼえるほど、
実に快適で見晴らしの良い道路でした。
小高いと感じた丘陵部を越えると、
一転して道は長くゆるやかに下りはじめました。
やがて前方に低い屋並みばかりを見せて、七尾の市街地が見えてきます。
さらに進んで、和倉温泉街のホテルや旅館などを抜けると再び、
車窓に海が現れます。
湾内にある能登島も、東の海上に見えてきました。
作品名:アイラブ桐生 9~11 作家名:落合順平