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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・参】ちもきのぽぽんた

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「吉祥」
緊那羅が吉祥に声をかけた
「コレ…えと…中島から」
「ゆーちゃん? …どうして自分でこないのよ、そこにいるのに」
吉祥が紙袋を受け取りながら中島の方を見て言う
「なんか自分が話しかけると吉祥が嫌がるからって言ってたっちゃ」
「な…っ…」
緊那羅が言うと吉祥が目を見開いた
「私がいつ嫌がったのよ!!」
「声が大きいですよ吉祥」
吉祥が声を上げると乾闥婆がソレを批難した
「だって…」
「態度がモノをいっているのではないですか?」
ぐっとこらえた吉祥に乾闥婆が言う
「態度…ってなによ…」
「まぁアレだヨシコ…素直になれっちゅーことやんきに」
阿修羅が吉祥の頭に手を置いて言う
「何よそれ!! まるで私が素直じゃないみたいじゃない!? そうよそう聞こえるわ!!」
「誰が素直なのさ…」
吉祥が怒鳴ると矜羯羅がうるさそうに突っ込む
「素直って何?」
悠助が慧喜を見上げて聞いた
「素直というのはそうですね…貴方みたいなことを言うのですよ悠助」
乾闥婆が先に答えると慧喜がぷぅと膨れた
「慧喜…大人気ないナリよ」
「なんだよ慧光!! うるさいなっ!!」
慧光が言うと慧喜が慧光に食って掛かる
「…ぁまぁ;」
「…ふんっ」
制多迦が間にはいってなだめると慧喜がそっぽを向いた
「…アンタも素直になりなさいね」
「うるさいわよっ!!;」
本間が阿部の肩を叩きながら言うと阿部が怒鳴る
「そろそろきますぜ~!!」
殺風景な駅の中に掛けられた時計を見て南が言った
1両編成の電車がキキィ~というブレーキ音と共に止まりガコンと揺れた
「…乗ってるか?」
小さなホームを南が小走りで後ろ車両へと向かっていくのを一同が黙って見ているとま真ん中より少し後ろの方の窓を見た南が止まって途端満面の笑みを浮かべるとダッシュで後ろの乗降口へと向かう
「…わかりやすぅ~…」
それを見ていた坂田が口の端を上げると駆け出した
「遅れを取ってなるものか!!」
京助がそう言いながら駆け出すと中島も京助に続いて駆け出した
「ちょ…待ってよ!!;」
阿部が躓きながら駆け出すと本間もゆっくりと阿部の後を追いかけて歩いていく
「…ワシらも行くべきなのか?」
迦楼羅がボソッとこぼすと各々の顔を見てまぁ…とりあえず行ってみますかという結論に達したのかゾロゾロとホームに足を進めた