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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・参】ちもきのぽぽんた

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「タダイマントヒヒ」
ガラガラと玄関の戸を閉めて京助が靴を脱いだ
「おかえりだっちゃ」
「うぉ;」
閉めた戸が再びガラガラと開いて買い物袋を提げた緊那羅が入ってきた
「…買い物か?」
「うんただいまだっちゃ」
買い物袋を見て京助が聞くと緊那羅が答えた
「おきゃーり…一足遅かったか…;まぁ…いっか」
「何がだっちゃ?」
家にあがりながらボソッと行った京助の言葉に緊那羅が突っ込む
「いや…明日の買い物これから行くからさお前晩飯の買い物どうせ行くなら一緒にって思ってただけ」
足を進めながら京助が言う
「…そうなんだっちゃ…」
そういった後少し止まると緊那羅の口元が微笑んだ
「京助」
「あ?」
「ありがとだっちゃ」
京助の横を緊那羅が小走りですり抜けながら笑顔を京助に向けた
「…何にありがとなんだ?;」
身に覚えのないお礼を言われて京助が口の端を上げた
「なんとなく嬉しかったからだっちゃ」
台所の方に後ろ向きで向かいながら緊那羅が言った
「…ヘンなヤツ」
緊那羅が廊下を曲がっていなくなると京助が口の端をあげて言った

「何の集団だって話だな」
昔映画の舞台に使われたとかいう小さな駅に集合した面々を見て坂田が言う
「阿部さん久しぶりだっちゃ」
緊那羅が笑って言うと阿部が笑い返す
「…少しは大人になったみたいだね」
そんな阿部に本間がボソッと突っ込むと阿部がむすっと膨れた
「案の定なカンジだねぇ~ハッハ」
南が言う
「まぁ想定内だったけどさ」
「寒いわ!!」
京助が言うと後ろから飛んできた声
「そりゃ…寒いだろうて;」
阿修羅が吉祥の肩を叩いた
「しょうがないじゃない!!? あっくんも迦楼羅も乾闥婆も私を置いていこうとするんだもの!!」
吉祥が阿修羅に食って掛かった
「…やっぱりか…;」
中島が溜息をつくと手に持っていた紙袋を見下ろした
「なんだソレ中島」
南が紙袋を覗き込んで聞く
「…ミカ姉の服」
中島がボソッと答えた後京助に紙袋を突き出した
「アイツに貸してやって」
「は?」
中島が無理矢理京助に紙袋を押し付ける
「自分で渡しゃいいじゃん;」
坂田が突っ込む
「なに照れてるんでちゅか~?」
南がツンツン中島の頬を突付く
「別に照れてねぇけど俺が話しかけるとアイツ嫌がんだろが」
中島が言う
「…ん」
「へ?;」
京助が隣にいた緊那羅に紙袋を渡した
「まかした」
「私が渡すんだっちゃ?;」
京助が言うと緊那羅が自分を指差して聞くと京助が頷いた