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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・参】ちもきのぽぽんた

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「…暇なんだね」
矜羯羅が声をかけるとピョン毛がぴくっと反応した後乾闥婆があのにっこり(でもどことなく怖い)笑顔で振り返った
「余計なお世話です」
そして言う
「…子供の前だぞ;」
もう放っておくことにしたのか迦楼羅がガキンチョ竜に前髪を引っ張られながら言う
「別になにもしませんよ? ねぇ?」
乾闥婆が今度はその笑顔を迦楼羅に向けた
「ねぇといわれてもな;」
迦楼羅がボソッと言う
「…そっちはどう?」
矜羯羅が言うと迦楼羅が矜羯羅を見た
「上の様子か…?」
迦楼羅が言うと矜羯羅が頷いた
「【空】であんなことがあったのに【天】がなにもないなんて思えない…」
矜羯羅が言う
「たしかに…おかしいですね」
乾闥婆がボソッと言った
「迦楼羅…」
そして迦楼羅に声をかける
「…鈍い君でも気づいているんじゃない…?」
矜羯羅が立ち上がった
「【上】のこと…」
矜羯羅が言うと乾闥婆が迦楼羅を見た
「…ワシは何も知らん…」
吐き捨てるように言うと迦楼羅が踵を返し部屋を出て行った
「…わかりやすいんですから…」
迦楼羅が出て行った後を見て乾闥婆が溜息をついた
「心配しなくても…大丈夫ですよ…」
乾闥婆が背を向けたまま矜羯羅に言う
「貴方に心配されては調子が狂います。気持ち悪くて」
そう言い残して乾闥婆も部屋を出て行った
「…だってさ…」
矜羯羅が抱いていたガキンチョ竜に話しかけた
「ぷぶー…」
不安げな顔で矜羯羅を見上げてきたガキンチョ竜の尻を軽く叩きながら矜羯羅が窓から空を見上げた