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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・参】ちもきのぽぽんた

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「おっ! ぽぽんた咲いてんじゃん」
京助が立ち止まってしゃがんだ
「ぽぽんた?」
緊那羅がしゃがんだ京助を振り返って止まった
「たんぽぽのことだよたんぽぽ」
坂田が戻ってきて説明する
「そういや毎年ここの空き地たんぽぽの群生地だもんな」
中島もリヤカーを止めて戻ってきて言う
「群生地?」
慧光がまだ数えるだけしか咲いていないたんぽぽを見て言った
「そうそうここ一面真っ黄色になるんだよね」
南が言う
「あと一週間もすりゃ…見ごろだろな」
京助がたんぽぽを摘んでくるくる回した
「やっとこさ春だねぇ…桜はまだまだだけど」
南が歩き出した
「…後一週間で見ごろならありすがくるのに間に合うんじゃないっちゃ?」
緊那羅が言うと一同がそろって南の背中に目をやった
「ぽぽんたで花見…ねぇ」
坂田が言う
「まぁフキノトウよかは…いいかもしれねぇな」
中島も言う
「…って言ってるナリよ?」
慧光が南に声をかけ?
「…ってかやっぱ花見しか思いつかねぇのな俺等」
京助がハッハと笑った
「乏しい想像力ですねぇ~」
坂田もハッハと笑う
「でも思いついたのは緊那羅さんですねぇ~」
中島が緊那羅を見た
「…何だっちゃ;」
緊那羅がたじっと後ずさる
「おいでませ乏しい想像力の世界へ!」
坂田がバッと両手を広げて言った
「今ならもれなくぽぽんた一本ついてくる!!」
京助が手に持っていたたんぽぽを掲げて言った
「行きたくないっちゃ;」
緊那羅が言う
「で…どうするや」
中島が南に聞く
「上見上げなくていいから逆にいいかもしれねぇぞ?」
坂田が言う
「上から毛虫とか降ってくることもねぇしな」
京助も言った
「まぁ…そうだよね…うーん…;」
「おつまみとかなら多少協力してやっからさ」
中島が言うと南がバッと振り返った
「よっしOK! 花見歓迎!ぽぽんた万歳!!」
南がウインク+ペコちゃんのごとく舌を出して親指を立てた
「緊那羅の案採用!!おめでとう!」
坂田が緊那羅の背中を叩いた
「ではこのぽぽんたを…」
京助がたんぽぽを緊那羅に差し出した
「あ…りがとだっちゃ;」
緊那羅がたんぽぽを受け取った
「そうだ! お礼にいいことしてやるよラムちゃん。ぽぽんた貸して?」
南が緊那羅からたんぽぽを受け取るとその茎を縦二つに裂いた
「しゃがんで?」
「あ…うん?」
笑いながら南が言うと緊那羅がしゃがむ
「こうし…てっと。あら! かんわいい」
南が笑いながら言った
「…違和感ねぇのがなんだかなぁ;」
京助が口の端を上げた
「似合う似合うハッハ」
坂田が笑いながら見た緊那羅の頭にはたんぽぽの花
「茎で結んだんナリか」
慧光が言うと南が頷いた
「昔よく作ったんだよねぇ…花冠とか?」
「俺たんぽぽの茎で笛よく作ったぞ~…苦いんだよなアレ;」
中島が言う
「後さ咲いた後のツボミ裂く前にジジかババかコーヒーかってのもやらんかんたか?」
京助が言う
「やったやった! いや~…懐かしいですな」
坂田がしみじみ言った
「何だかいろんなことやってるんだっちゃね」
緊那羅が言う
「だよなぁ…なんかこう…まだ14年くらいしか生きてねぇのに思い出とかわんさかあんだよな」
京助が言った
「だぶん忘れてることとかもあるんだよなコレが」
坂田が言う
「俺の少ない頭には全部なんか突っ込めないしねぇ」
南がハッハと笑った
「じゃアレだ来週の花見はありすがいつまでも覚えているようなモンにしたいですな」
中島が言う
「あたりき!!」
南が親指を立てて返した