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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・参】ちもきのぽぽんた

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「…何してるの?」
下から声をかけられた吉祥が目をやるとそこには阿部
「なんでもないわ」
吉祥が首を振った
「よく登ったわねそんなトコに…怖くないの?」
阿部が見上げたのは結構いい感じに高い木の枝に座る吉祥
「別に怖くないわ」
吉祥が笑った
「ねぇちょっといい?」
阿部が言うと吉祥が自分を指差し【私?】という顔をした
「そう」
阿部が頷くと吉祥がするんと枝から腰を滑らせて地面に着地した
「何?」
すっと立ち上がった吉祥のある一部を見てから阿部が吉祥を見る
「あ…のね…」
「…あなた京助好きでしょ」
何か言おうとした阿部に吉祥が突然言うと阿部が固まった


「…ずるいんだやな」
「ふぇええええええええええええええ!!!!!」
「まったくなんだやな…」
「ふぇえええええええええええええええええええ!!!!!」
両手に一人ずつのガキンチョ竜を抱えたゼンゴが溜息をつく
「早く帰ってきて欲しいんだやなー;」
「ふぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」
栄野家に見事なまでの泣き声のハーモニーが響き渡った


矜羯羅の薄紫色の頭に乗っかった黄色い花輪
「よく作るよね…」
口ではそういいながらも矜羯羅の顔は和やかにほころんでいた
「気に入った?」
鳥倶婆迦が矜羯羅に聞く
「そうだね」
矜羯羅が言うとお面の顔からどことなく嬉しいオーラが出てきたような気がした
「綺麗にできてますよ鳥倶婆迦」
乾闥婆も鳥倶婆迦を褒めると鳥倶婆迦のお面顔から更に嬉しいオーラが増量した気がした
「本当? おいちゃん天才?」
鳥倶婆迦が身を乗り出して乾闥婆に聞く
「そうですね花輪作りの天才かもしれませんね」
乾闥婆がにっこり笑って言うと鳥倶婆迦の後ろにパァッとはなが咲いた (様に見えた)
「じゃぁおいちゃん今度は乾闥婆にも作ってあげるよ」
そう言うと鳥倶婆迦がイソイソと長めにタンポポを三本とって花輪を編み始めた
「…不機嫌そうな顔するなら君も作ったら?」
「だ…ッ;」
チラっと横目で迦楼羅を見ながら矜羯羅が言う
「べ…別にワシは…;」
迦楼羅が慌てる
「黄色って濃い色にも映えるけど薄い色にも映えるんじゃない?」
矜羯羅が言うと迦楼羅が乾闥婆を見た
「…変わってきてるね…もしかしたら…」
「…そうだと…いいのだがな…しかしそうだとしたら…ワシはどうすればいい?」
鳥倶婆迦の隣に腰を下ろして鳥倶婆迦の花輪作りを見ている乾闥婆を二人して見る
「ヤツはもういない…しかしここにいる…そうなったら…」
「素直になれば?」
途切れ途切れに言う迦楼羅に対し矜羯羅がさらっと言った
「いつも君が乾闥婆に言うように君も素直になればいいんじゃない?」
矜羯羅がそういった後パリンと薄焼きサラダせんを齧った
「…沙紗…」
迦楼羅が小さく呟いた