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68.ふけさん



「おい! 痛い! いい加減手を離せ!!」

 私は川島君の手を振り解き、怒りをあらわにした。

「いったいどういうつもりなんだ!? そんなに私のデートが気に食わないのか!」

「はぁ、はぁ、はぁ……すまんすまん。ちょっと、今から電話するから、もうちょっと待ってくれ」

 そう言うと、川島君は私のことを無視して電話をかけ始めた。

「ムキー! 私を無視するなぁ!!」

「あ、ハルカさんですか。すいません、実は急用ができまして……はい、実は変態が町で暴れていまして……」

「おい! 変態って私のことかぁ!! 訂正しろ! て・い・せ・い・し・ろ!!」

「……はい、すいません。また、今度お願いします。すいません、すいません、すいません……」

 川島君は電話越しに何回も土下座して謝っていた。川島君、君のその美しい土下座姿は、電話の向こうの人には見えていないのだよ。



「さぁ、そろそろ事情を説明してくれてもいいんじゃないかい? 君は私のデートを潰してしまったのだよ。もし、くだらない理由だったら、怒るよ」

「……あぁ、悪かったな。実は……」

 川島君は、地面にこすり付けて赤くなった額をさすりながら、つらつらと事情を話し始めた。