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49.警察官川島



『8月31日、ハルカちゃんと会うことが決定した。お前に拒否権はない。あと2週間とちょっと、お前にはまだまだ指導することがある。だから俺の呼び出しには迅速に対応しろ』

「送信っと」

 俺は田中敬一にメールを送り、ハルカちゃんが送ってくれたセクシー画像を見てニヤニヤした。ホットパンツから伸びる、白くて細い足……たまらん!! ハウっ! は、鼻血が……。
 俺は鼻血を拭いながら欲望のアクセルを全開にし、妄想列車を暴走させた。

「川島列車、発車します!!」

 しゅっぽっぽっぽっぽっぽっぽしゅっぽっぽっぽっぽっぽっぽ…しゅっぽっぽっぽっぽっぽっぽしゅっぽっぽっぽっぽっぽっぽ…………。


 急に、涙がこぼれてきた。俺は、バカじゃない。それなりの大学を出ているし、一般常識もある。喜怒哀楽の感情も持っているし、人の心の不思議も知っている。恋の盲目だって……恋の辛さだって、知っている。

 ハルカちゃんはこれっぽっちも、俺に興味なんかない。ハルカちゃんが想っているのは、田中敬一だ。そんなの、わかっている。恋によって盲目状態に陥っているハルカちゃんに対して、俺がどんなにアプローチしようとも意味がない。路傍の石ころに愛をささやかれても、気持ち悪いだけ。それも、わかっている。わかっているよ! でもさ! わかっているからといって、それが何だっていうんだよ!! 路傍の石には路傍の石なりのプライドがあるんだよ! 最後に笑うのが、石ころだっていいじゃないか。だって、石ころが笑っていたところで、誰も気付かないし、世界に変化をもたらすものでもないのだから。だから俺は、ニコニコ笑う石ころになってやる。

 俺は欲望を抑えることが、世界平和に繋がると思っていた。でも、俺みたいな石ころの、ちっぽけな欲望を叶えたところで、世界に変化などおきはしないのだと思い改めた。

「よし、まずは田中敬一の指導を徹底すべきだな」

 俺は策略をめぐらせ、田中敬一へメールを再び送った。