カシューナッツはお好きでしょうか?
8.カエデ
「サイテー!! おっさん、あんた何者!? マジ気持ち悪いんですけど」
私は一人で発声練習をしているときに、急にハモってきた気色悪いおっさんをぶん殴った。おっさんは「ハグぅ!!!」と気味の悪い奇声をあげて、その場に倒れた。
「おっさんとは酷いな。私はまだ28歳の青年だ」
おっさんは頭を抱えながら、ゆっくりと起き上がった。……このおっさん、どこかで見たことあるような……。私はおっさんの顔をマジマジと見つめた。私は記憶の中からこのおっさんの顔を捜した。あと少しで思い出せそうなんだけど……。
私はこのおっさんが誰なのかを思い出そうと、おっさんに近づき、さらにマジマジと顔を見つめた。
「あぁ!! 思い出したぁああ……」
私がそう、叫んだとき。おっさんと私の唇が触れ合った。
作品名:カシューナッツはお好きでしょうか? 作家名:タコキ