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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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超短編小説Ⅱ Combination

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「―その言葉がきっかけで、おれはおまえを信じ、立ち直ることができた」
 と、一年前の出来事を隣で振り返る優太。そして、
「なのにずるいよなぁ~。引っ越すことを自分は言わないなんて」
 と、翔を茶化す。
「悪かったって! 何度も言わせるなよ~」
 笑いながら翔は、優太の右肩を軽く押す。
「……ったく、お前って奴は……なあ、優太。お前、信じるか? 離れていても、つながりは、消えないことを」
 翔は不安を抱きながら、優太に訊ねる。
 それを払拭するかのように、優太は立ちあがり、自信を持って彼に、
「信じるに決まっているだろ! 消えないさ。共に頑張ってきた俺たちの―固い『絆』はよ!」
 と、ニッと微笑む。
 そんな彼を見て、
「そうだよな。信じないと……嘘になるよな」
 と、翔も優太に笑みを浮かべる。
「ああ! おれたちの……悔いのない最後のソフトテニスを、試合で見せてやろうぜ!」
 二人はお互いの拳をコツン、と叩いた。



 アナウンスでベスト十六をかけた試合の始まりが告げられる。
 二人はこの高き壁を乗り越えて、証明することを誓う。



 真のコンビネーションは技術ではなく、『絆』から生まれるものだということを―。