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時空を超えて言霊いくつか

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夢見



鬼の霍乱という風邪病めば
ヒスタミン系の錠剤ツー
脳をベッドにたたきつける

世には知られぬことならむ
老女はもはや夢を見ぬ
白毛の中はもぬけの殻と

この世の最後のプレゼント
眠りに眠って夢物語
罪の贖罪果たしたる

やさしげな初老の紳士
浦島さんとやら
私ら知り合いらしかったが

昔話などするかたわらに
うつくしげなるむしろ若い
婦人がいて好もしい

この乙姫さんと何故に
いつまで他人の仲か
私に遠慮はいらないものを

さあさ、どうぞ仲良くと
手と手を取らせせなを押す
二人は夢のように微笑んだ


浦島さん、
昔はあなたの家を何度も何度も
いろんなバージョンで夢に見た
くらいくらい夜だった
徘徊した、窓で爪先立った

そこに私の愛し子が住んでいるのだから
一目でも会いたいと隠れながら
浦島さんは時間泥棒
それで時間を盗まれたのね

私だって悪漢じゃない
今となっては煙のように
すべては雲散、忘れよう
白髪となって夢の世のふたを閉じる

全く脳のいたづらときたら
大脳皮質のコントロール無しに
くっつけたりはがしたり
運のよかった夢見だった