時空を超えて言霊いくつか
祖母②
ごめんね、おばあちゃんのこと2番目に好きで
でも、安心して甘えていられたんだよ
縁側に腰掛けたおばあちゃんの膝に
あたし、よく股がってたでしょ
顔と顔を見合わせて
おばあちゃんの手の皮をつまんだり
するとむぎゅっと盛り上がって、そのままの形で止まっちゃうから
面白くて不思議でさぁ
野良着の胸をはだけさせて
おっぱいを吸ってみたり
顔中のしわを
検分したり点検したり、どうしてしわだらけなのかって
尋ねたりしたかも、ごめんね
天然パーマの髪の毛も
入れ歯の形も(醜いなんか思わなかった)
ぜーんぶ可愛いかった、だってそれがおばちゃんなんだから
作品名:時空を超えて言霊いくつか 作家名:木原東子