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アイ・ラブ桐生 第一部 7~8

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アイ・ラブ桐生 第一部
(8) 第二章 八木節祭りの夜(後)



 M子の家は山の手にあります。
赤い煉瓦作りで、三角の屋根が五連につらなる織物工場を右に見て、
そのまま山裾のほうへ回り込んでいくと、やがて静かな住宅街が現れます。
この一角に初恋の相手、M子の自宅はありました。

 車は、少し離れたところへ止めました。


 遠くから八木節のお囃子が、風に乗ってとぎれとぎれに響いています。
それがやがて、本町通りからと思われる、ひときわ高い乾いた樽の音色が
ここまではっきりと聞こえてくるようになりました。
八木節共演会が始まることを市内に知らせる、恒例の合図です。

「じゃぁ、もう8時は過ぎたんだ・・」