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TranceMix! 1話

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セイジは研究室を抜け、開発室の前を通る。そうしないと戦闘班の部屋…つまりは自分の部屋に帰れないからだ。
開発室の前を通り過ぎようとしたあたりで、誰かに声をかけられる。
振り向くと、そこには研究班リーダー、石田ナオ(いしだ なお)がいた。
「どうしたの?」
「また新しいの作ったから使ってみて?」
そう言われ、腕輪を手渡された。
「腕につければいいの?」
「うん。そう」
セイジは言われた通り腕にはめる。…なんだか、身体の中の魔力のめぐりがよくなった気がする。
「魔法。使ってみて?」
そう言われて、セイジは魔法を使ってみる。
「燃えろ!」
ナオの目の前にあったほこりが燃える。
「なんでそれ使うかなぁ〜」
え?なんで僕怒られてるの?
「それじゃ意味ないじゃんか〜」
どういう意味だろう?
セイジはナオの言いたいことが分からない。
「仕方ないか…えいっ!」
ガブッ
ナオが、自分の手を噛む。
その瞬間、セイジは背後に殺気を感じる。
「っは!!」
とっさに右に回避する。
すると、今さっきまでセイジがいた位置に釘バットが振り下ろされていた。
「っち!!」
左斜め後ろから舌打ちが聞こえてくる。
「あ、危ないじゃんか!」
「危ないだぁ〜?俺のナオちゃんに怪我させておいて何言ってやがんだ?あぁ!?」
こいつは、川島リョウ。ナオの事を好きで好きでたまらないらしい。ナオにストーカー行為をしている。ちなみにこれでも、開発班副リーダーだ。
「セイジくん、回復魔法かけて?」
「ナオちゃん、セイジなんかよりも俺に!!」
「リョウくんは黙ってて?」
リョウを見るナオの目が怖い。
「はい。わかりました」
リョウは一気に大人しくなった。
「じゃあ、お願い」
「分かった」
回復魔法は、セイジの得意な炎魔法と違って効くまでの時間が長い。
「治れ!」
シュウ…
?いつもと違って効くまでが早い。
「そう言う事。この腕輪をはめてる間、レベルの低い魔法は詠唱破棄できるの」
と言っても、もともと魔法が得意なセイジくんにはあまり関係ないかもだけど。と付け足す。
セイジにとってこれはありがたい。セイジは剣も銃も得意じゃなく、戦闘ではもっぱら魔法しか使ってないから特にだ。
「じゃあコレ。戦闘班のみんなに!」
そう言って、人数分の腕輪を渡された。
「ありがとう!ナオちゃん!」
これで戦闘が随分有利になる。

「俺のナオちゃんに向かってちゃん付けだぁ〜〜?」
後ろからなんか聞こえてくるけどセイジは無視して自室へ向かった。
作品名:TranceMix! 1話 作家名:ざぶ