TranceMix! 1話
「ありがとう、セイジ」
「はぁ、はぁ、…どういたしまして。…あいつらあんなに重いなんて……」
今、セイジに話しかけてきた男子の名前は佐藤シンヤ(さとう しんや)。研究班のリーダーだ。
「そうだろうな」
「はぁ、はぁ、…ん?なんでそんな事がわかるんだ?」
「こいつらの皮膚を見たか?」
「皮膚?…ああ、鉄の鎧の事か?」
宇宙人の皮膚は、全部鉄の鎧でおおわれている。肌色の皮膚は見えない。
「鎧じゃない。皮膚だ。その証拠に、こいつらの中身も全て鉄なんかで出来ている部品だ」
え!?皮膚!?これが!?セイジは驚きを隠せなかった。
「ってことはこいつらは…」
「そうだ。機械だ」
「でもそんなことあるはずがない!」
見た目だって、セイジやヒトミ達人間にそっくりだ。それなのに、機械なはずがない。セイジはそう思った。
するとシンヤはさも当然と言った感じで
「なぜそう言い切れる?」
と言った。
「…え?」
「この広い宇宙、どんな星があってもおかしくない」
…シンヤの言うとおりだった。
「だが、疑問点はある」
「なんだ?」
「セイジも感じなかったか?こいつらは魔法無しで動いている」
この国で作られた機械の源力は魔法だ。無線だって、感知システムだってそうだ。
だが、戦闘中、魔法を使うそぶりは見られなかったし、何よりもこいつらの中に魔力を感じない。
「それが気になる。だから徹底的に調べる」
「ああ、結果、待ってるから」
「任せておけ」
作品名:TranceMix! 1話 作家名:ざぶ