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D.o.A. ep.17~33

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高低差から、やや敵軍を見渡すことができる場所である。
ローレンの戦いとはまるで比較にならないほどの巨大な勢力だった。
これほどの頭数のオークがそろう光景など、この先お目にかかることはまずないにちがいない。
珍しがれるだけならどれだけいいだろうか。今から、それらと戦わなくてはならないのだ。
まさに決戦と冠するにふさわしい規模のいくさとなるであろう。
砲弾が先んじて軍団に放たれ、爆風を引き起こしているが、その程度で敵勢の勢いを殺ぐことはできないようだった。
ロノア王国の大砲技術は、まだまだ未熟で、発展途上にあった。
砲戦が主となる海軍だけは、増強の際財政に多少の無理をとおし、最強のものをそろえたのである。
それでもなお、敵弾には圧倒された。
敵軍の陸装備に、あのおそろしく残忍な砲弾がもちいられていないのは幸いであろう。

「告げるべき言葉はただひとつ!すなわち、この間、退却の二文字は抹殺すべし!」

指揮官が、指揮剣を引き抜いた。
甲高い大声をあげる初老の少将は、ここが死に場所と覚悟し、みずから前線を願い出た。
後方でじっとしてなどおれようかという、はげしい衝動に駆られたのであった。
国を護るための戦場で散れるなら、軍人の本懐ここに至れりである。

「貴官ら各々の力と、決死の覚悟こそが、ロノアに、そして、貴官らの守るべきものに明日をもたらすと心せよ!!」
指揮官は、指揮剣を振り上げて、せまるオーク軍団へ切っ先を定めた。

「―――今より、突撃を実行する!!」


作品名:D.o.A. ep.17~33 作家名:har