とどろく閃光
誰もいないと思っていた部屋の中に誰かいる???
「だ、誰?」
急に何者かが気配だけを現した。だけどまだ、目が暗闇に慣れていない。誰だかわからないけど。先に侵入者がいたようだ。
「静かに。」
近寄ってくる。若い男のようだ。
「龍香さんの妹さん?」
姉の名前を出してきた。近寄ってきて、相手が自分と同じぐらいの年だと気づいて、園子はちょっとだけ気を緩めた。
「なんだか向こうで探し回っているようだ。逃げよう。」
「姉の会社の人なの?」
それにしては若すぎるみたいだけど、彼はそうだとうなずいた。
窓を開けて庭からふたりは逃げ出した。