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マナビノ箱

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二年生の始めての日。
ここの学校は、一年と二年はクラスの友だちが入れかわらないから、きっと隣の席はかよこちゃんと思っていたなおきくん。
だけど、教室の黒板に貼られた座席表を見て、なおきくんは動かなくなった。
かよこちゃんと席がひとつ ずれちゃっていたのだ。
「なおきくん、おはよう。おせき、わたしのうしろよ。はい、こっち」
かよこちゃんは、なおきくんのランドセルの肩紐の辺りを引いて席へとやってきた。
おや?今日のなおきくんは、はにかんでいません。
机の上にランドセルを置いて、黒板の紙をもう一度見る。
かよこちゃんの横に書かれた見知らぬ名前『てらかど けんじ』
一年生で漢字を習ったけど、先生の作った表はひらがなばかり。新しい名前だって読み間違えるわけはなかった。
「どんな子かなー?わたしのよこのおともだち」
かよこちゃんが前髪を人差し指でかき上げた。
なおきくんは、春休みの間にかよこちゃんがおねえさんになったように思った。
そして、まだ会ったことのない子のことを『おともだち』と言ったことに嫌な気分になった。先生のことも嫌になった。

作品名:マナビノ箱 作家名:甜茶