聖なる夜に。
それから3分ほどで、リーダー格のおじさんが出てきたらしく、キーさんが僕を呼びにきた。悲鳴が上がったらどうしよう、なんてびくびくしていた僕にとっては、とても長い3分だった。
「何してたんですか」
リーダー格のおじさんに、僕は小声で訊く。
「え? 何って、プレゼント置いてきたに決まってんだろ」
おかしなことを訊くんだな、とおじさんは苦笑している。
「お前、俺たちのことを盗人かなんかだと思ってたのか? 違う違う。俺たちはただ、聖夜にプレゼントを配り歩くボランティア団体さ。悪いことは何もしてないから、そんなびくびくすんな」
「……」
住居不法侵入は立派な犯罪ですが、なんて野暮なことは言わないでおこう。