聖なる夜に。
聖夜の配達が終わり事務所に戻った時、朝日はすでに半分ほど顔をのぞかせていた。
「みんな、ご苦労だった」
ソファに座りながら、リーダー格のおじさんが言う。周りのおじさんたちは、首や肩を回して疲れをほぐしている。
「諸君のおかげで、今年も無事にプレゼントを届けることができた。ありがとう」
そこで僕の方を見て、
「バイト、お前もよくやってくれた。少ないが、受け取れ」
茶色の封筒を向けてきた。
「ありがとうございます」
言い知れぬ達成感と共に僕が封筒を受け取ろうとした時、ぱさり、と何か黒いものがおじさんのコートから落ちてきた。