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恋色季節

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ピッ…

「もしもしっ」

『H-i!!You Rio's lover,right?』

「…」

ブツ…

「…空耳か」

紗希ちゃん無理があります。

また、バイブレータだなりだした。

着信:理央

「…」

ピッ…

『Hi!You 「May I kill you?」
N,NoNnNoNoNo!!!』

あたしが唯一パッと発音できる英語。

アナタを殺していいですか?

『ちょっ、あ、紗希?!』

「ねぇ、殺していい?」

『落ち着いて?』

「あたしは至って冷静ですよ。」

『あ、そう…ごめん今の友達』

「…友達は選ぼうよ」

「だから謝ってんじゃん」

紗希ちゃん、ご立腹。

夕日はすっかり沈み、夜風が私を撫でる。

『で、メールでいってた言いたいことって何?』

「と…優勝おめでとう」

『…さんきゅ』

理央の口角の上がった声色が聞こえた。

『何だ。てっきり寂しいとかいうのかと思ってた。』

「悪かったな。可愛いげのない彼女で」

『本当だよ。』

「否定しろよ。」

風が木々を揺らした。

「てか…負けんなよ」

『当然』

「勝ち続けてよ」

『モチロン』

「…ずっと待ってる」

『…了解』

そして通話は終わった。

あたしは理央と電話するとき、必ずここに来る。

ここには理央がいるような気がするから―…。

思い出を想う。

想いに恋をする。

恋を想う。

怒濤の1年間だったね。

初めてこんなにハラハラしたよ。

楽しいキモチ…

嬉しいキモチ…

悲しいキモチ…

苦しいキモチ…

憎いキモチ…

寂しいキモチ…

幸せなキモチ…

愛しいキモチ…

たくさんたくさん教えてくれたね。

たしは木の幹に背中を預け、瞳を閉じた。

作品名:恋色季節 作家名:紗智