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恋色季節

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クラスがざわつく。

いつものことなんだが今日は、普段よりも騒がしい。

「紗希たま〜っ!お訊きになりましたかあ〜い?!」

「モチロン!」

理由は、ひとつの吉報が届いたからだ。

「中子がアメーリカの初試合で優勝したんだってなあっ!」

そう

理央がアメリカに着いて初めての試合で見事優勝したのだ。

「さっすが中子!紗希との約束、本気で果たす気だな?!」

俺は負けない。日本に帰るまで

いつか遊びにいったとき、理央が行ってた言葉。

「フン、当たり前。てかみんな騒ぎすぎだっしょ」

「あたしの王子は勝つのが当たり前、ですか?」

「とーぜん」

「いや〜ね〜、最近の若い子はっ」

普通の日常。

繰り返される毎日。

ツマラナイ。

刺激のない日常。

あたしの入学前と同じ生活。

それほど波瀾万丈だったこの一年間。

今は放課後。

部活が終わり、みんな帰宅したため、学校に教員以外の人影はない。

あたしは学校をフラフラと徘徊している。

気が狂ったワケじゃないよ?

えぇ、決して。

そしてついた先は…

「あ、つぼみだ…」

あの、理央と出会った桜の木の下。

あたし達の…はじまりの場所。

桜の木に手を当てて私は感傷にひたる。

「出会いは最悪だったね?理央」

だって今思い出してみれば…

あたしの彼氏はトイレの案内係。

「最初のあだ名…トイレの人だったな」

あれは真面目に恥ずかしかったぞ。

ウ"-ウ"-…

「!」

携帯のバイブレータがなる。

着信:理央

「待ってました!テニスの王子様…や、あたしの王子様♪」

作品名:恋色季節 作家名:紗智