恋色季節
「紗希っ!!しっかりして!!大丈夫?!」
目を開けると、白い天井が視界を埋める。
消毒液の匂いに、意識がもどったことを確認した。
でも…
分からない…
「アナタたちは…だれ?」
ダ レ
「嘘でしょ…紗希?!」
「何で…?」
どうして?
このおんなのこは
どうしてなきそうなの?
「とにかく病院にいこう」
どうして
このおとこのこは
さみしそうなの?
「う…うん」
さみしみかおは
しちゃだめだよ?
「笑顔」
「…ぅぇ?!」
「いつも笑顔!悲しい顔してたら幸せ逃げちゃうよ?」
あたしがそういうと
おんなのこは
なきくずれた。
ないちゃだめなのに―…
ないたら
しあわせ
にげちゃうよ?
「っ紗希…
思いだしてよ…っ
俺にまた
生意気いってよ…」
このひとも…
おおきなひとみに
なみだためてる…。
あたしはそれから病院に運ばれた。