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恋色季節

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「やぁ、心優ちゃん。僕に会いに来てくれたのかな?」

ちょうどいいタイミングに現れた抽象的な顔立ちの小柄な少年。

「あ、神崎先輩!!先日はどもです!」

アンタかっ!!

どうやら神崎先輩のおかげで心優ちゃんは覚醒したご様子。

「理央…‥このさいアンタでもイイからへるぷみー‥」

クラ―…

「…?」

今、目の前が二重になった?

「今から中村は試合だよ。行ってあげて?」

「あたしが‥ですか?」

「うん。君が行けば…クス
藤木が喜ぶね、きっと」

「…?どゆ意味ですか?」

「ま、行ってみなよ?」

よく分かんないけど…

心優も神崎先輩とふたりになりたいだろうし…

ぺこっとお辞儀をして、理央のいると思われるコートに足を向けた。

「上手くいけばいいけど…」

「だね」

クスッと微笑むふたり。

「まだバレちゃダメだよね」

「ん?
僕たちが幼馴染みだってこと?」

「うんっ」

にこっと陽気に答える心優。

「どうして?」

不思議そうに首を傾ける神崎。

黒魔族どうしの読心術は通用しないらしい。

「ぇー…だって紗希っちの驚いた顔みると…


ゾクゾクしない?」

「あ、なるほど」

黒魔族は基本的に

ドSです。

「Σにゃっ!!」

突然顔を真っ青にする宮本。

「どうした祐樹?」

「おっ木下っ!!あっあれ…っ!!アレアレ見るにゃ!!」

「ん?

……‥‥・。」

パタ…。

「Σにゃーーっ!!木下ぁっ!!」

過去…

桜学テニス部はふたりの黒魔族により崩壊の危機に立ち入ったといいます。

「今回は楽しめそうじゃん?」

「クスッ…そうだね」

誰のことか

ご理解

いただけたでしょうか?

作品名:恋色季節 作家名:紗智