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舞うが如く 最終章 3~4

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 官営の模範製糸工場として、当時において最先端の医学施設を備えた
富岡製糸場においてですら、明治26年までの官営の操業期間中に、
病気などで亡くなった者の数は実に、64人にもおよびました。


また当時の資料の一つで、「女工と結核」史によれば工場労働者80万人のうち、
女子が50万人とあり、そのおおくが繊維関係の工女です。
繊維工女たちの年齢は、16から20歳までが最も多く、
中には、12歳未満の工女も存在したとその記録には残っています。



 病気のために解雇をされ、帰郷後に死亡したものについて見てみると、
死亡者1,000人のうちの703人が、結核による死亡です。
実に、7割強が結核あるいは、その疑いのある病気だったといわれています。


 アメリカに自社の担当者を派遣して、直接生糸を売り込む水沼製糸場の商法は、
この当時、大きな成果をあげました。
同時に西洋医学にも着目をして、早くから医療と工女たちの
診療体制を確立をしていきました。



 また、法神流発祥の地と言うこともあり、
工場内には小さいながらも、剣術の道場が建てられました。
琴を師範代に、咲が筆頭塾生となり、少女たちに剣と薙刀を指導しました。
真新しい道場に、久々に純白の袴をつけた琴が立ちました。


 流麗な薙刀さばきもさることながら、その凛とした粋ないでたちに、
心を震わせた乙女たちが続々と入門をしはじめます。
手狭となった道場を出て、工場の敷地の一角で鍛錬をするようになると、
さらに評判を呼び見学者が増え、入門者も急増をします。