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幼なじみ

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 「いやー元気そうで安心したよ」
 「決して元気なわけじゃない……」
 「そういえば、ご飯は食べた?」
 「朝に少し」
 「そっか。それじゃ少し遅いけど昼飯にしよう。何か作るよ」
 「食欲ない……」
 「リクエストある?」
 「いらない……」
 「好きな料理とかは?」
 「だからいらないって……」
 「まぁまぁ」
 真琴は大きなため息をついた。
 「強いて挙げるとすればまぁ……オムレツが好き」
 「ふむ、了解」
 「い、今ちょっと笑ったでしょ?」
 「いや、笑ってない」
 「あんたが料理苦手そうだから簡単そうな料理を指定してあげたのよ!」
 「台所借りるよー」
 「話を聞け!」
 卵を二つ使ったやや大きめのオムレツが五分とかからずに完成した。
 「はい」
 真琴の膝の上に皿を置く。
 「……」
 「一口だけでもいいから食べてみてよ。残した分は下げるから」
 「まぁ、せっかく作ってもらったわけだし。一口だけでも食べるのが礼儀よね」
 彼女はうんうんと頷きながらスプーンを手に取り、オムレツを口に運んだ。
 「む!」
 「どう?」
 「えー、美味しい、です……」
 「おーよかったよかった」
 「何よその勝ち誇った顔は」
 「いやいやただうれしかっただけです」
 「なんかむかつく」
 悪態をつきながらも、真琴は軽快なペースでオムレツを口に運んでいった。
 「ごちそうさまでした」
 「お粗末さまでした」
 
作品名:幼なじみ 作家名:くろかわ