【第十一回・弐】うらうらら
「ってことなんですよ」
栄野家の茶の間で南がヤレヤレお手上げ調に言い視線を向けた
「ってことでどうして僕達に回ってくるのさ」
天竜と飛竜を膝の上においた矜羯羅が聞く
「いやぁ…なんか突拍子もない意見が聞けるかなーと思いまして」
坂田が答えた
「だぷーぅ」
何か意見があるかのごとく緊那羅に抱かれていた竜登が手を上げた
「ハイ竜そのイチ君」
南が指名する
「竜登だっちゃ」
緊那羅がすかさず突っ込んだ
「んにょー」
指名されたのがわかったのか竜登がよだれをたらしながら何かを訴え始めた
「…息子!! 通訳!」
「わかるかッ!!;」
南が京助に振ると京助が怒鳴る
「息子シッカーク」
その京助に南が両手を上げてヤレヤレという感じで言い返した
「ここは女の子の意見聞いてみようかなぁ…ってことで慧喜っちゃん」
「俺?」
南が慧喜を指名すると慧喜がきょとんとした顔で自分を指差した
「慧喜がされて嬉しいこととかなんかないか?」
坂田が聞くとしばらく考えた慧喜が悠助を見た
「俺は悠助とケッコンして子供できればソレが嬉しい」
慧喜が満面の笑みで悠助を抱きしめた
「わ…私は矜羯羅様と制多迦様がいれば嬉しいナリ!!」
慧光が身を乗り出して言う
「おいちゃんは笑っていてくれれば嬉しい」
鳥倶婆迦も言った
「俺はそうだなぁ…まぁエビフライが食えりゃなんでもいいかも」
京助もさり気に便乗した
「じゃぁ俺は…ハルミさんがいれば嬉しい」
坂田がニヘラと笑った
作品名:【第十一回・弐】うらうらら 作家名:島原あゆむ