【第十一回・弐】うらうらら
「248円です」
ガチャチーンという音がして小銭が南の手に手渡された
「ってかさーもう半分以上食ってたのになんで弁償なわけよ;」
放課後歩きながら京助に買い物袋を差し出しながら南が言う
「まだ! まだ半分だろが…で? 相談はなんじゃらほ」
買い物袋を受け取った京助が聞く
「実はな~…前見たくやっぱなんかしてやりたいわけよ」
「なんか?」
坂田が聞くと南が頷く
「前ってあの不思議の国のアリスみたいなのか?」
「まぁ…そんなカンジの…かな」
中島が聞くと南が言った
「具体的にどんなんよ」
京助が聞く
「それを相談すんだよ君達に」
南が返した
「そっからかい;」
ソレに対し坂田が突っ込む
「一日しかいられないみたいだしさー…まだ小さいし…どっかつれてくにも…アレだし…ってさ」
南が苦笑いで言う
「まぁ…そうだよな…たしか病気…なんだよな?」
京助が聞く
「病気っていうか…声が出ないっての? 声帯が何か…よくわかんねぇけど」
南が答えた
「なんか…なんかねぇ…;」
京助がそういって考え込むと中島と坂田も足を止めてその場で考え出した
「花見だな」
中島が言った
「あ、考え一緒」
坂田も言う
「実は俺も」
京助も言った
「…安易だなぁ…って言ってる俺も実はソレが思い浮かびました」
南もハッハと笑いながら言った
「でもただの花見じゃなぁ…第一花まだ咲いてねぇじゃん」
坂田が言うと南たちが周りを見渡した
「…雪がまだ残ってるくらいですなぁ…見る花って…ゆーてもフキノトウくらいか?;」
京助が道端にはえていたフキノトウを見た
「じゃぁ花見却下か?」
中島が聞く
「じゃぁ他に何あるよ;」
坂田が突っ込むとまた京助も3馬鹿も考え込んだ
作品名:【第十一回・弐】うらうらら 作家名:島原あゆむ