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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・弐】うらうらら

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「…怒られるかと思ったわ…そうよ怒ると思ったの…に…」
ヨシコが言うと京助と緊那羅も頷いた
「なんか…拍子抜けしたっちゃ…」
緊那羅が言うと今度はヨシコと京助が頷く
「…何かあったのか?;」
京助が聞くと緊那羅とヨシコが首をかしげた

「だっぱ」
茶の間の戸に手をかけた乾闥婆に阿修羅が声をかけた
「…何です?」
振り向かず乾闥婆が答える
「…やっぱお前…まだ…」
「僕は乾闥婆ですから」
阿修羅の言葉を打ち消すような口調で乾闥婆が【僕は】の部分を強調して言った
「…それ以外の…何者でもありませんよ」
そしてにっこりと微笑みながら阿修羅を見た
「…あんなことは…僕等だけでもう…いいんです…」
顔は笑顔でもどこか悲しそうな言い方で乾闥婆が言う
「…だっぱ…お前はまだ【乾闥婆】になりきれてない」
「…ッ…!!」
阿修羅が言うと乾闥婆がバッと阿修羅を見てそして唇を噛んだあと無言で茶の間の戸を開けた
「どうしたのだ?」
戸を開けても中に入ってこない乾闥婆に迦楼羅が声をかけた
「…なんでもありませんよ?」
乾闥婆が笑顔で返す
「そうか…?」
「はい」
いつも通りの受け答えをする二人を見た阿修羅がやりきれない顔をしてその場から離れた

「オイ」
京助が中島を肘で押すと中島がハッとして京助を見た
「お前も; 何しに来たんだよ…ったく;」
今度はヨシコを見て京助が溜息をつきながら言う
「わ…私は…」
吉祥が慌ててゴソゴソと何かを探しはじめた
「ゆーちゃーん? きょうちゃんなら中に入ってもらいなよ~」
蜜柑の声が聞こえると中島が家の中を見た
「…入るか?」
そして京助に聞く
「俺は別にいいんだけどさー…」
中島に聞かれた京助がヨシコを再び見る
「…お前は?」
中島が稀少に声をかけるとヨシコが顔を上げた
「わ…私も別に…そうよ私も別にいいわ」
ふいっと顔をそらして言ったヨシコに中島がむっとした表情をする
「あーそうですかー…で? 何しにきたんだよまともな格好して」
わざと少し大きめの声で言った中島に今度はヨシコがむっとした表情をした
「まともな格好ってなによ!なによその言い方!! まるで私の格好がいつもはまともじゃないみたいじゃない!?」
ヨシコが大きめの声で反論する
「まともじゃねぇだろあの格好は」
中島が言い返すとヨシコの眉がだんだんとつり上がった
「…俺はどうすりゃえーん;」
たぶんおそらく存在を忘れられているであろう京助が壁に寄りかかって二人を見る
「なによ! なんなのよ!! ムカつくわ!!」
ヨシコが怒鳴る
「近所迷惑」
中島が言う
「どうしてそう可愛げないの!? そうよ!!可愛くないわ!!」
「可愛くなくて結構そして近所迷惑」
ヨシコが中島を指差して怒鳴ると中島がしれっとした顔で言い返す
「お~ぃ;」
一応止めようと京助が呼びかけたがまるで無視された
「少しは素直になったら!? そうよ素直になりなさい!!」
「そっくりそのままお返ししますわソレ」
ああ言えばこう返すというカンジで中島とヨシコの言い合いが続く
「私のどこが素直じゃないって言うの!? そうよどこよ!!」
「全部じゃないんですかね?」
「どうしてそう突っかかるのよ!! むかつくわ!凄くむかつくわ!!」
「突っかかるところが満載だから突っかかるのいは当たり前だろが」
「なによ! なんなのよ!!」
「なんだよ」
「なに…よ」
テンポの良かった言い合いが止まってややしばらくするとヨシコがぎゅっと手を握り
「ッ…大っ嫌いッ!!!!!」