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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・弐】うらうらら

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「…中島?」
言ってからヨシコがハッとして口を押さえた
「…や…あの…違うの! 違うの!! 私はゆーちゃんじゃなくて蜜柑…」
慌てるヨシコを見てガキンチョ竜をあやす矜羯羅と京助が顔を見合わせた
「じゃなくて…ッ!! …お礼言いたいの…そうよお礼が言いたいの!!」
ヨシコが顔を赤くして言う
「お礼?」
矜羯羅が聞くと吉祥が何かを取り出した
「…キーホルダー?;」
チャリっと音をさせてヨシコが二人の前に差し出したものは【ようこそ! 正月町へ!!】とかかれた観光土産のキーホルダー
「何これ」
矜羯羅がキーホルダーをまじまじと見て聞く
「…くれたの」
ヨシコが大切そうにキーホルダーを握った
「中島がか?」
京助が聞くとヨシコが頷いた
「アワビとかいう貝なんだってあっくん言ってたの」
ヨシコが言う
「アワビだな」
京助が言った
「でも何で中島が?」
「…さぁね」
京助が矜羯羅を見て聞くと矜羯羅が軽く溜息をついた
「理由のない贈り物があってもいいんじゃない?」
そういい残すと矜羯羅が踵を返して歩いていった
「…そんなもんかねぇ…;」
京助が呟く
「ねぇ…京助あのね」
「…なんだよ;」
ヨシコが躊躇いがちに京助をチラチラと見ながら言う
「…その…」
「…ハイハイ…わかりましたよ;」
中々言い出さないヨシコを見て京助が大きく溜息をついた後首にかけていたタオルを腰に差し込んで歩き出した
「明日にしろって言っても聞くようなヤツじゃねぇし…ほっといたらまた迷子になるんだろうし?; …連れててやるよ」
京助が言うとヨシコの顔がぱぁっと明るくなった
「その前にもう9時過ぎてるし…一応電話でアポな」
そんなヨシコを見て京助も呆れながら笑った
「…それと…その格好じゃアカン;」
京助がヨシコの格好を見て言うと吉祥が首をかしげた