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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・弐】うらうらら

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「ぱー」
制多迦を登っていた天竜という赤ん坊が制多迦の頬をぺちぺち叩く
「…何か…匂わないっちゃ?;」
緊那羅が言うと矜羯羅と京助がふんふんと周りの匂いを嗅ぎそして矜羯羅の腕に抱かれている独眼という赤ん坊を見た
「…ふんばってますね」
赤い顔をして矜羯羅の服を掴みながらふんばっている独眼を見て京助が呟いた
「…さっきしたばっかりなんだけど」
矜羯羅が言う
「だぷー」
天竜が制多迦の顔に覆いかぶさるようになって声を上げる
「ふえぇえええええええ!!!」
「緊ちゃ------------ん!! 竜ちゃんが泣きやまない-----------------------------!!」
ドタドタと廊下を走る足音と赤ん坊の泣き声、そして悠助の声が近付いてくる
「ばっか; コッチつれてくるな!!; 連鎖起こる連鎖ッ!!;」
京助が大声で言うと制多迦の頭に上った天竜がビクッとした後顔が段々をゆがんできた
「…ふ…」
「ふぇえええええええええええええええええ!!!!」
天竜よりも先に独眼が泣き声をあげた
「出しながら泣くなんて器用だね」
矜羯羅が方耳をふさいで言う
「最終兵器 緊那羅出動!!」
「なんだっちゃそれ;」
泣き止まないという竜を悠助から受け取りながら緊那羅が京助に突っ込む
「…しよし;」
連鎖反応で泣き出した頭の上に天竜を腕に抱いて制多迦があやす
「でもまずはオシメ取り替えないとだっちゃ;」
「ふえぇええぇええええええええええええええええええええええ!!!!!!」
三重になって響く泣き声を聞きながら緊那羅が言った

「また寝たよオイ;」
かいたあぐらの中に眠る天竜を置いて制多迦がコックリしているのを見て京助が呟いた
元開かずの間に響くのは泣き声ではなく緊那羅の歌声
「やっぱ威力絶大だな緊那羅の子守唄」
敷かれた布団の上で指をくわえたりしながらウトウトしている三人の赤ん坊の隣には寝息を立てている悠助と慧喜
「相変わらずいい声してるね…」
壁に背をつけていた矜羯羅がふっと笑った
「矜羯羅様は眠らないナリか?」
その矜羯羅の隣に座っていた慧光が聞くと矜羯羅が足を伸ばしその足をポンと叩く
「寝るなら…貸すよ」
そして慧光を見て微笑む
「え…い…いいナリか?」
少し驚きながら矜羯羅と足を交互に見て慧光が聞く
「駄目だったら言わないよ」
矜羯羅が返すと少し躊躇いながら慧光が矜羯羅の足に頭をつけた
「鳥倶婆迦は?」
服装はコッチの服装をしててもやぱりあのお面をつけている鳥倶婆迦に矜羯羅が聞く
「おいちゃんもいいの?」
鳥倶婆迦が聞き返すと矜羯羅が頷いた
「みんな揃ってお昼寝タイムかよ;」
ヘツと口の端をあげた京助も軽くあくびをすると立ち上がりおもむろに緊那羅の側に腰を下ろすとそのまま緊那羅の背中に頭を預けた
少しだけあけていた窓から春の風が入り込んできた