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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・弐】うらうらら

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「また寝てるし…;」
元開かずの間の窓枠に頭を乗せて寝ている制多迦を見て京助が呟いた
「まるで今まで眠れなかった分を取り戻してるみたいだっちゃね」
栄野家の人口が一気に増加してから数日
やっと春らしく雪解けが進んできた北海道日本海沿岸の正月町にはうららかな春の日差しが降り注いでいた
「しっかし…よく寝るなぁ…息してんのか?;」
京助がそう言いながら制多迦に近付き制多迦の鼻をつまむ
「…ぷっはっ;」
しばらくつまんでいると制多迦が顔を振って起きた
「…に?;」
そして半分寝ぼけて半分驚いた顔を京助に向けた
「おー…生きてたか」
京助がハッハと笑う

「何してるのさ」
ずしりと頭に重みを感じて京助が振り向くと赤ん坊を抱いた矜羯羅がいた
「制多迦で遊んでる暇があるなら一人くらい面倒見たら?」
その矜羯羅の足元をハイハイで歩き回るもう一人の赤ん坊を京助が見下ろした
あの日から栄野家の人口は10人を突破している
空に帰れないという矜羯羅、制多迦、慧光、鳥倶婆迦に加え力を使って赤ん坊化した上何故か四人になってしまった父親である竜
「後の二匹は?」
ハイハイしている赤ん坊を目で追いつつ京助が聞く
「慧光達が見てるよ」
赤ん坊を抱きなおしながら矜羯羅が答えた
「コレが【飛竜】だっけか?」
ハイハイしてついに制多迦に辿り着き制多迦登りをはじめた赤ん坊を見て京助が聞く
「そっちは【天竜】飛竜は鳥倶婆迦達の方にいるよ…そしてコッチが【独眼】」
矜羯羅が言う
「…よくわかるナァお前;…もう一匹が【竜登】だっけ?」
京助が聞くと矜羯羅が頷いた