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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【第十一回・弐】うらうらら

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「なにしてんだ」
探しに行こうとした声が聞こえ緊那羅がその方向を見る
「京助…どこいってたんだっちゃ?」
「便所」
「…流す音聞こえなかったっちゃよ」
「流してきたっつーの」
頭を掻きながら京助が廊下を歩く
「あ…のね」
緊那羅の横を通った京助に緊那羅が声をかけた
「なんだ?」
京助が振り返って聞く
「…前に京助…好きなだけここにいていいって…言ってくれたっちゃよね」
月明かりが差し込む廊下で緊那羅が顔を上げた
「あ? …ああ…何か言ったような気がしなくもないけど…」
京助がウロな回答をする
「で? それがどうした?」
そして聞く
「私は…ここにいるっちゃ」
緊那羅が言うと京助がきょとんとした顔で緊那羅を見た
「時が来ても時が過ぎても私はここにいるっちゃ」
笑顔ででも真剣な顔で緊那羅が言う
「だから…だから京助もどこにも行かないで…ほしいっちゃ」
少し躊躇いがちに緊那羅が言った
「…なんだそれ;」
少し間を置いて京助が突っ込む
「私がここにいても京助がいないならいる意味がないんだっちゃ…私は京助がいる場所が好きなんだっちゃ」
開けている窓から少し強めの風が入って京助の髪をも揺らした
「私の場所は京助の隣だっちゃ」
緊那羅が言い切った

「……なんか…だなぁ; 告白か? それ」
口の端をあげて京助が言う
「そうなるんだっちゃ?」
「いや; 俺に聞くな;」
きょとんとした顔で緊那羅が聞くと京助が顔の前で手を振って返す
「…でも…ま…アレだ」
腰に手をついて一息吐いた京助が顔を上げた
「どこにも行くなっつーなら一緒にくりゃいいじゃん」
そう言いながら京助が悪戯っぽく笑う
「え…?」
緊那羅が首をかしげた
「俺にどこにも行くなっつーんだったら一緒にくりゃいいじゃんってことだ」
京助が言う
「…一緒…に?」
緊那羅が聞き返すと京助が頷いた
「…いいんだっちゃ?」
小さく緊那羅が聞き返す
「隣にいてぇんだろ? ならそうすりゃいいじゃん」
京助が言う
「…少しくらいなら待っててやるよ追いつくまで」
京助が背中を向けて歩き出した
「…うん…」
緊那羅が嬉しそうに頷き小走りで京助の背中を追いかけた
「窓閉めてこいよ;」
「あ; うん;」
京助に言われて緊那羅がまた窓を閉めに戻った