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第六章一話 激戦の始まり

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辺りがシンと静かになった頃、源五郎は窪みから出た。
「皆・・・・・みんな!!」
次々と息絶えた仲間の姿を見るが――――
「墨田?墨田!!どこなの、墨田!!!」
墨田だけが周りを探しても見つからなかった。
そんな時近くの木の下で声が聞こえた。
「げんご・・・ろ・・・・」
「この声は・・・・一宮君!!」
「げんごろ・・・・他のみんな・・・は・・・・」
「梅沢班長も他の子も・・・・・墨田はいないんだ・・・・・」
「チッ。源五郎、とりあえず木を」
「うん!」
すると火が回った。
「なっ!!!」
アメリカ兵が火をつけたのだ。
「一宮君!すぐに助けるから!!」
しかし、木は重なり合っていた為動かなかった。
すると一宮は源五郎に
「逃げろ。源五郎。」
「何言って・・・・火が回ってるんだよ!死んじゃうよ!!」
「だが、これ以上だとお前も死ぬぞ!」
「もうイヤだ!僕のために命を落としていく人を見たくないんだ!」
源五郎はフィリピンについた頃に命を落とした三船を思い出していた。
源五郎は涙を流しながらいやだと言った。
「あまったれんな!!!」
一宮は怒鳴った。
「てめえは人を救えなかったら死ぬのか!バカカお前は!!
誰も死にたくて死ぬんじゃねえ!誰かを守りたい為に死ぬんだ!
この状況をよく見ろ!さっきの情報を思い出せ!
お前がいたところでどうにかなっていたか?
ならなかっただろう! 
だから俺達は最善の道を・・・・一人でも多くの味方が生きることを望んだんだ!」
源五郎は・・・・・静かに涙を流した。
そして立ち上がり
「絶対見つけ出すから。」
そういって逃げた。
「そうだ・・・・その決意だ・・・・源五郎。」
ニコリと笑った一宮は炎にまみれた。

源五郎は泣きながら・・・・走った。
「ウエッ・・・・ウゥ・・・・ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
源五郎の涙に比例するかのように雨が降ってきた。