museum
B「ふーん。箒とちり取り・・・。」
A「うん!」
B「おかしいな。箒とちり取りは十六号を起動し終わった後、カケルが来る前に片づけたのに・・・。」
振り返りAを見る。
A「え! えーっと。」
B「お前さ、ちょっと後ろ向いてみて。」
A「え?なんで?」
B「いいから。」
A 一瞬振り返り、元に戻る。
B「おい!」
A 振り返ると見せかけて一回転する。
B「ちゃんと向け!」
A しぶしぶ後ろを向く。
B 背中を見ようと服をめくろうとする。
A「や、破廉恥!」
服を手で止め、元の方向へ戻り、身体を手で隠す。
B「なんでだよ!」
少し呆れ気味で「いいから」と後ろを向くようにジェスチャーする。
A 頷き、くるくると回転。
B「後ろをむけ!」
A しぶしぶ後ろを向く。
B 服をめくる。
A「ひゃっ。」
B 外部バッテリーを指差し
「これはなんだ?」
A「おでき」
B「そんなわけないだろ!」
A「・・・・・。」
雰囲気が静かになる。
B「お前、十六号だろ。」
A「・・・・・。」
B「僕が気付かないと思ったのか?」
A「・・・・・・・ははははは。あはははは。(ぱっと明るい表情に変わり)騙されたな!」
B「は?」
A 背中の後ろのバッテリーを剥ぎ取り
「じゃーん!実はこれ模型でした!」
B「へ?」
A「着色しに来た時に見つけて、騙そうと思って作っておいたんだよ。俺が模型のプロだって忘れたのかぁ?こんなものお手の物!」
B びっくり。
A「両面テープでちょちょっとな。」
B「なんだよー。驚かせるなよぉー。」
A「へへへへへへー。」
座りだす。
B「あー。騙された。」
座りだす。
A「大成功!」
B「なんだよー。あーびびった。」
A「んー。」
B「んー。」
二人「ははははははは。」
A ばたりと倒れる。
B さも分かっていたように
「外部バッテリーなんか取って、いつまでも動けるわけないだろ。」
Aを見ながら
「ホントにバレたらどうするつもりだったんだよ。・・・・部屋の中確認されたら一発だろ。」
Aをポンポンと叩いて
「大丈夫、すぐ直してやるよ。壊れたわけじゃないから。まぁ、壊れても捨てたりしないし、一人じゃないから寂しくないよ。」
「自分が人間らしいのはおかしい事だと思ったんだな・・・・僕が人間に近いロボットが造れないわけないだろ。自分を分解しながら造ったんだから・・・・・。まぁ、僕の造るとなぜか持続性がなくてすぐ入れ替えなきゃいけなくなっちゃうんだけどな。もうそろそろ、十五号も変え時だからな。データのバックアップとらなきゃ。・・・・・あ!そういやアイツ明日野外展示みるって言ってたな。雨が降らなきゃいいけど・・・・・・。」
C・O