museum
身代り
A…Bの友人手先の器用な青年・ロボット B…ロボットの設計者
青年(B)が友人(A)のためにAの身代り用ロボットを造った。しかし、ロボット自身は意思をもっており、自分があまりにも人間に近いと制作者である青年を利用しようとする者が現れ青年が危険な目に遭うのではないかと考える。
ロボットは普通の一般的なロボットを演じるため流暢な動きができないふりをする。
C・I
妙なポーズをとるA、その斜め後ろに立つB
中央のみ照明があたる。
A「いらっしゃいませ。二名様ですか?こちらの席へどう・・・・・。」
セリフを言いかけ上半身がぐらつき、上部だけ倒れる。どうやらAには不備があるようだ
B「あれ?おかしいな。故障かな?」
Aの上部を起こし、背の部分をなにらやらいじる。
B「だめだな。再起動させるか。時間はかかるけど。」
Bスイッチを切る仕草。SE(Macの起動音)
暗転
A下手に移動。
明転
Aノックをする。Bドアを開ける。
B「ああ、カケル!あがって、あがって。」
A「で、ロボットの方は?」
B にこりと笑いロボットの方向(さっきまでBが立っていた場所)を指差す。
A「おお!すげーじゃん!! 完成してるよ!!こうやって組み立つとホントに人間にしか見えないな! まんま俺!!」
Aはロボットをつついたり、撫でたりする。
A「すげー。まじでそっくり!ヨウは本当にすごいなぁ。」
ロボットの向きをBの方に向け、肩に手をのせ、ポーズをとる。にまりと笑う。
B「まあね。僕にやってやれないことは無いから。」
A〝おっ言うねぇ〟という顔。
B「ま、色塗ったのはお前だけどな。」
A「ふふん。俺は模型のプロだぜ。着色なんてお手の物。」
B「そうだな。」
A「へへへへへへ。じゃ、これを明日バイト先に持って行って完了だな。」
B「あのさ。それが・・さっき問題が起きちゃって、うまく動かないんだ・・・。」
A「ええ!どうすんだよ。それじゃあ、博物館に行けないじゃないか。希少人類展だぞ!!珍しいヤツがいっぱいみれるのに!滅多にないんだぞ。」
B「うん。しってるよ。」
A「しかも、野外展示もあるのに!」
B「ほんとにごめん! けど大丈夫!明日までにはちゃんと直しておくから。」
A「本当か?大丈夫なのか?」
B「うん。絶対動くようにしておく。」
A「んー。なら、任す!」
B「あ。そういや、なんでバイト抜けられないんだっけ。」
A「あー。だから、その日、俺以外全員 用事が入ってるみたいで何か知んないけど、いつの間にか俺が一日中バイトってことになってたんだよね。」
B「その日入ってる他のバイトの人はホントに誰もいないの?」