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ウエツグ上次
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museum

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C「ええっと、どこまで言いましたっけ?」
B「えーと。・・・・あぁ!そうだ!時代ですよ!」
C「そうだ、そうだ。」
B「あなた、なかなか上手いですね。」
C「いやぁ、あなたこそ!」
B「じゃ、私からでしたよね。えーと。」
A「あの。」
B「あ!声色。」
A「あの、すいません!」
C「おー!」
A「あの!!」
  二人Aに気付く。
B「どうかしました?」
A「何をさっきからやってるんですか?」
C「あー。古今東西変わるもの、ですよ。あ!もしかして気になってたんですか(いやらしく笑う)。どーです、一緒に。」
A「いや、結構です。」
B「やりたいくせにぃ。」
  Aイラッとする。そして何かに気付く。
A「やりたくありません! ・・・・。そういえばここ、全然車通らないですね。・・・。ん?ていうか、ここ交差点でもないじゃないですか!」
C「そうですよ。え!今頃気付いたんですか?」
A「じゃ、なんで信号機があるんですか?紛らわしいなぁ。意味ないじゃないですか!こんなんだったら、もっと早く気が付けばよかった。」
  歩き出し信号を無視しようとする。
  B、C慌ててAを止めにいく。
B「わぁー!何やってるんですか!!」
C「危ないじゃないですか! 信号無視するなんて非常識な!!」
A「は?何言ってんだあんたら? だって車も何も来ないんでしょう?信号が変わるの待ってたって時間の無駄じゃないか!!俺にはあんたらが信号を待ち続けてることの方が信じられない!」
B「とにかく渡ろうなんて考えるなよ。」
C「ああ、びっくりした!赤なのに渡ろうとするなんて!」
A「あんたら、こんなのにまでルールを守り過ぎじゃないか?」
C「ルールとかじゃなくて、赤で渡るのは物理的に不可能ですよ。」
A「は?」
B「まぁ、いつ信号が変わるか分からないですし、それまで私たちと暇潰ししましょうよ。」
A「いや、渡れないのなら帰ります。急いでるんで。」
  来た道を帰ろうとするA。
B「それも無理ですよ。」
  途中で立ち止り上を見上げるA。
A「あれ?こっちの信号機も赤だ。しかもこっち側も交差点じゃない。なんだこれ。そういえば、俺がさっき通ったときは青だったような・・・。」
B「ええ。向こう側からの信号は青です。しかし、こちらの信号はあの信号と連動してるので、あれが変わらない限りこちらのも変わりません。私たちがいる場所は離れ小島なんですよ。」
C「さぁ、もう危ない考えは止めて、三人で時間を潰しましょう!意外ともうすぐ変わるかもしれないですし。えっと。次は古今東西落ちるもので! じゃ、あなたから。」
A「え?あ、ええっと。か、枯れ葉」
C「リンゴ」
B「体力」
  C〝お!〟っという顔。Aもなんとなく反応。
A「き、記憶力!」
C「視力」
B「速度」
A「・・あ、試験」
C「地獄」
  二人ちょっと〝お!〟
B「眠り」
A「影!」
C「陽」
B「ブレーカー」
A「テンション」
C「人気」
A「城」
B「汚れ」
C「時間」
A「ん?時間?時間って落ちるって言いますか?進むとか、遅れるとか、経つとかなら分かるけど、落ちるって。」
C「言いますよ。落ちる。」
B「ええ。言いますよ。確かに。」
A「そうですか?言うかな?」
C「落ちますよ。」
A「んー。・・・・。言うのかなぁ。あー。俺やっぱ向かないですよこういうの。もう行きますね。」
B「え!まだ諦めてなかったんですか!!止めてくださいよ。危険ですよ!」
C「あなた、ホントに人間ですか!?」
A「えぇ!そこまで言われなきゃいけないことですか!?じゃあ訊きますけど、なんで渡っちゃいけないんですか?」
B「そりゃ勿論、〝谷〟があるからですよ!」
A「谷ぃ?」
C「ちゃんと信号が変われば通れるようになりますから。」
A「はっ。谷なんかあるわけないじゃないですか。デタラメだ。谷っていうのは山とかにあるものですよ。こんなただの道路に谷なんかがあるわけない。」
  A信号無視して渡ろうとしだす。慌てる二人。
B「だから駄目ですって!」
C「危ないですよ!」
  A、二人に掴まれる。
A「谷なんかどこにもないじゃないですか!!ただ普通に路が続いてるだけですよ!」
B「アスファルトが黒いから同化して見えるだけですって。」
 A二人を振り払う。
A「あんたら、俺をからかって遊んでるだけだろもう勘弁してくれ!」
C「ああ!」
   引き留めようとするが、二人ともそれ以上進めない様子。
   A上手にはけていく。心配そうに二人は見つめ続ける。
  Aの叫び声。
B「ああ。だから言ったのに。」
A「時間の谷に落ちたら、また信号を待たなきゃいけなくなるのにね。」
B「まぁ、ここに戻ってきても落ちた記憶はなくなってるから、また落ちてしまうかもね・・・・。」


作品名:museum 作家名:ウエツグ上次