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察人姫-第壱話-

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「あまり変わった感じはないよな」
「うん、まだ卒業して三年しか経ってないしね」
 早坂の車から降り、校舎を見渡して呟くソラとユーイチ。
「二時か。とりあえず校長と理事長に挨拶に行くぞ」
「ですよね。ソラ、行くぞ」
「はーい」





 応接室。
 入って二分で出された茶菓子を平らげたソラがお茶を飲み干したのと同時に現れる二人の初老の男性。
 保澄学園理事長の武中勉と、校長の長井創二。
「やほ、ツトムちゃん」
「相変わらずだな、ソラ君」
 威圧感漂う着流しを着た理事長にソラは失礼極まりない挨拶をし、ユーイチや早坂をひやっとさせるが、そこは保澄学園の理事長、にっこりと笑顔でそれに応える。
「浅蔵君も久しぶりだね」
「はい、ご無沙汰してます」
 座ったまま手を振るソラに対し、ちゃんと起立して挨拶するユーイチ。そんなユーイチにも理事長はにっこりと微笑み、着席を促す。
「挨拶も済んだところで早速本題に入りましょうか」
 全員がソファーに座ったところで、今まで無口無表情を貫いてきた校長が切り出す。細身の長身で眼鏡をかけており、イメージではどちらかと言うと教頭に近い。
「依頼内容は早坂先生から聞いたと思いますので、私から話すことは二点です。まずがを去る前に必ず調査報告をしてください。そしてもう一つ、授業や部活動に支障をきたさない程度に調査をお願いします」
「わかりました。調査報告は必ず。部活動や授業については極力努力します。それじゃあこっちからも一ついいですか?」
「はい、どうぞ」
 そこでソラはユーイチからのアイコンタクトにニヤリと笑い、親指と人差し指でわっかを作って校長に訊ねる。
「ギャラはどのくらい貰えますか?」



作品名:察人姫-第壱話- 作家名:朝朽 司