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察人姫-第壱話-

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「眠……着いたら起こせよ?」
「うん、任せといて」
 午後三時。
 一限の小テストで満点を取ったユーイチはその後の講義にも参加し、本日の最終講義である三限の講義終え、ようやくの睡眠を保澄学園へ向かうバスで取る。
 調査二日目、二人が今日すべきことは昨日できなかった、被害に遭った部への聞き込み。





「それでは今の時点での調査報告をお願いします」
「犯人は内部の人間の可能性が高いかな?」
「……それはどうしてですか?」
「理由は言う必要ないと思うけどな、校長センセ」
 二人が保澄学園に着いて最初に行ったことは、応接室での調査報告。
 普段はユーイチの仕事だが、寝起きで思考の働かず、ソラが代わりに報告する。
「気づかれておったみたいだな、校長」
「……そのようです」
「それではソラ君達の調査を全面的に認めてもらおうか」
「はい……」
 ソラの推理は正しかったようで、理事長は満足気に微笑み、校長はため息を吐く。
 どうやら内部犯の可能性が高いことを知っていた校長と理事長は二人へのテストとして敢えて情報を隠していたらしく、それを見破ったソラはテストをクリアしたとして、自由に調査をして良いとの許可を得た。
「それじゃあ聞かせてもらいましょうか。なぜ内部犯だと思ったのか……証拠や根拠がある筈です」





「足跡?」
「ええ、これに気づいたのは寅田さんなのですが……」
 校長の言う根拠。
 それは陸上部女子の部室にあった一枚のプリントにあった。
 朝練の日程が書かれたプリント。そのプリントは普段、専用の棚に保管されており、荒らされた時に床に落ちたのだが、そのプリントに保澄学園指定の校章が底にデザインされた革靴の足跡がくっきりと着いていたのだ。
「部室を荒らして出ていく際に足跡がついた……」
 ソラの呟きに校長は頷く。
 それが学園内部による犯行だと言う理由だった。



作品名:察人姫-第壱話- 作家名:朝朽 司